彼女のすべてを知らないけれど


「だってね、考えてみてよ。私とタクっ て長い付き合いで、大学まで一緒じゃ ん?つまり、お互いに『いて当然』。空 気みたいな関係なワケ。夫婦ならそれも ありかもしれないけど、私、まだまだト キめきたい18歳の女子大生なの。

これからいくらでも出会いがあるかもし れない。それはタクも同じなワケ。他の コに目を向けられたら、それこそやり直 しがきかなくなる。

いて当たり前って思われたら終わりだ よ、ある意味。

だからね、私、タクに思い知らせたい の。私達はお互いに必要だから付き合っ てるんだって」

「なるほど……」

カップル成立経験皆無な俺には理解が及 ばない話だけど、里桜の熱弁は胸に響く ものがあった。タクのこと、大好きなん だな。

「わかったよ。里桜の気持ち。

でもさ、だからって男の部屋を使うのは マズいんじゃない?女友達のところに泊 まった方がいいんじゃ……」