彼女のすべてを知らないけれど


結局、考えてみたところでコメントを残 した『ウィンクルム』の正体は分からな いし、ウィンクルムの飼い主につながる 手がかりもつかめず、俺はパソコン部屋 で寝てしまった。

目が覚める頃には、ウィンクルムの機嫌 が直ってますように――。

願いながら目を閉じる。

「バカね、あなたは。本当に――」

意識が遠のく直前、ウィンクルムの優し い声が聞こえた気がした。それと同時 に、柔らかい手のひらで頭を撫でられる 感触も……。




起きたのは、その日の夕方だった。

マズい!!大学、サボってしまった!!

窓からうっすら差す夕日にますます焦り 起き上がろうとすると、スマホが鳴っ た。電話だ!

『湊、今日どうした!?』

「然!ごめん、すっかり寝過ごし て……。今、アパートなんだ」

『ずいぶん遅起きだな。湊が大学来ない なんて初めてだし、心配したわ』

「ごめん、大丈夫。明日は行くよ」