ミコトはもう一度深いため息をついた。
「我も四六時中お前達の観察をしている わけじゃないから確かなことは言えない が。それでも、二人の気持ちは以前より 強くつながっているように見える。
それなのに、お前は、彼女と付き合うど ころか、友人の位置で満足している。そ れでいいのか?
我にヤキモチを焼くのも、彼女との関係 に焦りを覚えているからではないか?」
「……うん」
俺は認めた。
「その通りだよ。俺はウィンクルムと もっと仲良くなりたいし、ずっと一緒に いたいと思い始めてる。ミコトにヤキモ チだって焼いた。
でも、何ていうのか……。まだ、カベが ある気がするんだ」
「カベ?」
「うん。それ自体が不満とか不安ってい うわけじゃなくて、別に大した問題では ないのかもしれないけど、彼女と俺の間 には、目に見えない薄い壁があるという か……。
一緒にいて楽しいし安心するし、ずっと このままがいいと思う反面、俺はまだ彼 女の全部を知れていない気がするってい うか……」
「ふむふむ。それはもう、片想い中期の 典型的症状だな」
おどけたように、ミコトが言う。
「人間とは単純なようでいて、複雑な時 はとことん複雑になる生き物だからな。 湊、お前は特にそういうキライがある。
まあ、我からしたら『だから何だ』とい う話だ。お前は、いま、どうしたい?」
「俺は……」


