彼女のすべてを知らないけれど


七夕祭りの夜。

照明を落とした寝室。ウィンクルムが眠 るのをベッド脇で見ていると、キッチン の方から懐かしい声がした。

「邪魔するぞ」

「ミコト!!」

今日の祭で、結局一度も姿を現さなかっ た神・ミコト。

こうして会うのはいつぶりだろう。かな り久しぶりな気がする。

ウィンクルムの寝顔につられてウトウト していた俺は、ミコトの登場で一気に目 が覚めた。

「久しぶりだね!今日、然とこのお祭り 行ってきたよ。ミコトは行かなかった の?」

「行きたいのは山々だったが、我も我で 神の仕事があるからな。しかし、我の変 身術もなかなかのものだ」

ミコトは得意気だ。

「変身術?」

「さっき、お前の母親がここへ来ただろ う?あれは、実際のところお前の母親で はない。我だ」

「ええ!?」

いつものことながら、とんでもないこと をサラリと言ってくれる。