「いいえ。何でもないわ。私は、様々な ことを覚悟して人間になったんだもの。 今さら泣き言は言わない」 「でも……」と、ウィンクルムは俺を見 つめた。歩く足を止めてまで、こっちを 見つめてくる。 「あの失恋神社坊主のように、あなたの ことも悲しませてしまう日が訪れるのか しら?私には……」 それって、どういう意味!? 訊きたいのに、なぜか訊けなかった。 ウィンクルムが、あまりにも悲しそうな 目をするから。それ以上、何も語らせた らいけないと思ったから。