彼女のすべてを知らないけれど


二人きりの帰り道。

ウィンクルムがポツリとつぶやく。

「あの男には悪いことをしたわね」

「今さらだよ。然も気にしてないみたい だし、いいんじゃない?」

「違うのよ。元カノ問題に口出ししたこ とじゃなくて……。これまであの男に そっけなくしてしまったことを申し訳な く感じているのよ」

「ああ!そっちね」

どうして、今ごろそんなことを気にして るんだろう?それに、そういうのを気に する性格じゃないだろう、君は。と、心 の中だけで言い、俺はこう答えた。

「今まではどうであれ、今日仲良くなれ たんだから、気にすることないよ」

「それはそうだけど。私の行動は実に子 供じみていたのよ。あの男にそっけなく していたのに、正当な理由なんてなかっ たのだから」

「?」

「あの男にあなたを取り上げられるよう な気がして、一人勝手にムシャクシャし ていたのよ」

「つまり、ウィンクルムは、俺と仲良く している然にヤキモチをやいたから然に 冷たくしてた、ってこと!?」

「理解したのなら、いちいち言葉にして 確認作業しないでちょうだい」

怒っている。内心恥ずかしいのかな?

彼女の顔が、いつもより赤い。