彼女のすべてを知らないけれど


まごまごする俺とは正反対に、ウィンク ルムは毅然としていた。

「人のことより自分の心配をしなさい よ、失恋神社坊主」

「それ、俺のあだ名!?初めて言われ た!」

爆笑する然を見て、俺は少しホッとし た。

元カノの件はまだつらいかもしれないけ ど、然はやっぱり、落ち込んだ顔よりこ ういう明るい顔の方が似合ってる。

……もしかして、ウィンクルムはわざ と、然にキツいことを言ったのかな?傷 つけるためじゃなく、元気付けるため に。



祭が終わるまで、そんな調子で話をし た。

夜、静かになった頃、神社の前で然と別 れた。