彼女のすべてを知らないけれど


「放置した俺が悪かったんだ……」

祭が終わりの気配を見せる頃、然が再び 口を開いた。

「アイツと付き合ってた頃、俺、友達と 遊ぶことばっかり優先して、アイツとの 約束忘れたり破ったりすることがしょっ ちゅうあった。いつも好きって言われて たから、それに安心し過ぎてたんだ。何 をしても許されるって思ってた。

ワガママで勝手。ついにフラれて。

別れることになって初めて、アイツの大 切さが身にしみたんだ。ホント、勝手な んだけど……」

然の話を聞きながら、俺は高校の時のこ とを思い出していた。「彼氏に全く相手 にされない!」とグチってる女子がいた なって。

「束縛の強いヤンデレ女もどうかと思う けど、あなたもまあ、フラれそうな男の 特徴をパーフェクトに満たしてるわね。 ランク的にはモブキャラ以下よ」

「ウィンクルムっ!君はまたそういうこ とをっ!」

「ははははっ!」

然は笑い出す。

「ウィンクルムちゃんにはホント敵わな いや。俺も、湊も。

二人には上手くいってほしいな、俺」

「然、いつそういう話になったの!?」

俺は戸惑った。

こういう話、男同士だけでするのはまだ いいけど、ウィンクルム本人がいるとこ ろでされるとなんか気まずいから。