「然……!」
何て言えばいいのか分からなくて、俺は ただ、黙ってそこにいることしかできな かった。
一方、ウィンクルムは、このしんみりし た空気にちっとも影響されることなくこ う言い放った。
「彼女の本心が知れて良かったじゃな い。これで、これからは、無駄な期待を する時間も労力も必要なくなるんだか ら」
「ちょっ、ウィンクルム!」
「そうでしょう?今日こういうことがな かったら、その男はいつまでも元カノを 追いかけて自分に都合よく甘い未来を描 き続けていたと思うわよ」
そうかもしれないけど……。
「そんなこと今言わなくても……!」
「いいんだ、湊」
然が言った。
「ウィンクルムちゃんの言う通りなんだ よ。俺は元カノに未練があった。それを ごまかすために、元カノに嫌われないよ うに、『友達』のフリしてた。元カノに は全部お見通しだったんだな……。恥ず かしいというか、何て言うか……」
然はそれきり黙り込み、祭の様子をぼ うっと眺めていた。


