彼女のすべてを知らないけれど


「どうなのよ」

っていうか、なんで俺、こんなに追いつ められてるんだ?

ウィンクルムも、なんか、いつもと ちょっと違うし!

苦し紛れに、質問返しで対応した。

「そっ、そういうウィンクルムはどうな んだよっ!」

「私、猫だったのよ?人間と同じ価値観 で考えない方がいいと思うけど」

「どうして?猫の恋愛事情ってそんなに 複雑なの?」

「どうかしらね。恋する猫がいないとは 言わないけど、たいがいが繁殖期の副産 物よ。一晩に何匹ものオスと交尾する。 猫にとっては当たり前のことなのよ」

「なっ!一晩にって!」

「あなた、猫を育ててたことがあるクセ に、そんなことも知らなかったの?」

「いや、あの……」

「猫は、一度に5~6匹の子猫を産むけ ど、子猫の体の模様はバラバラだったり するでしょ?……それは、そういうこと なのよ」

「は、はい……」

色んなオスの遺伝子をメス猫が受け入れ たから様々な子猫が産まれた、って解釈 でOK?

でも、でも……。なんか、ショックだ。 ウィンクルムが、色んな男と……。

「イテッ!」

デコピンをされた。

「言ったでしょう?人間と同じ感覚で考 えるなって。

あからさまにショックって顔してるけ ど、私、人とはまだ交わったことがない の。この体はあなたのものよ」

「はひっ!?」

何を言い出すんだ!!