彼女のすべてを知らないけれど


「悩みはね、本人が自力で解決するしか ないのよ。あなたが何を思おうが、あの 男の現実を変えられるわけではない」

「そうだね。そうなんだけど」

でも、然のことを心配せずにはいられな い。

「大学入って、知らない土地にきて、他 にも色々あって、孤独だと思ってた時、 俺の気持ちをまっさきに理解してくれた のは然だったから。

もちろん、他の友達のことも好きだけ ど、然は特別というか、別という か……」

「それは、BLフラグと受け取っていい のかしら」

「なんでそうなる!」

しんみりした空気は一変。話題はヘンな 方に、思いもよらない形でそれた。

「だって、あなたって女っ気が皆無だも の。『無い』じゃなく『皆無』をあえて 使ったのは、それだけ『無い』というこ とを主張するためよ」

主張とか強気なことを言いつつ、ウィン クルムは冷静だ。

「わかったよ、ウィンクルムの言いたい ことは。でも!俺は、ウィンクルムが言 うような男への恋はしたことない し……」

「あら。じゃあ、女に対して恋情を持っ たことは?」

「なっ!」

痛いトコを突かれた!