「然は、知り合いを迎えに行ったよ」
「知り合い?私達の案内は?」
「もうだいたい分かったし、ここからは 俺達二人でまわろう。高校時代の……然 にとって特別な人が、これからここに会 いにくるんだって」
「……それであなた、難しい顔をして考 え込んでいたのね。無駄なことを」
「そっ、その通りだけど、ムダってヒド いなぁ」
ウィンクルムは、さっき俺が然と交わし た言葉全てを見透かしたように、こっち を見つめる。
柳の木に囲われた薄暗い場所。ぼんやり 反射する祭の光に当てられて、彼女の顔 がとても美しく見えた。
「あなたはそうやって、他人(ひと)の 痛みまで自分が背負おうとするのね」
「そんな……。俺は別に……」


