彼女のすべてを知らないけれど


「おまたせ」

ウィンクルムが戻ってきた。

「もういいの?」

「ええ。それより、何?その顔」

「え?」

「辛気(しんき)くさい」

「しんきって!」

「だって、本当のことだもの。食あたり にでもなったの?」

「違うよ。ちょっと、色々思うことが あって」

「ふーん。そういえば、あの男は?」

ウィンクルムは、祭で賑わう屋台の方を 見た。