彼女のすべてを知らないけれど


改めて見てみても、本当に広いな、この 神社は。ウィンクルムと俺が到着した頃 には、すでに人の波であふれていた。

然に案内してもらわなかったら、即迷子 だったと思う。

「湊、たません食べる?あそこの、超オ ススメ!」

然が、3人分のたませんを買ってきてく れた。あとで何かお返ししよう。

ウィンクルムはぎこちない動きで白い紙 とアルミホイルで包まれたたませんを受 け取ると、小さく首を傾げた。

「これ、何?口にするの、初めてだわ」

「タコせんべいを真っ二つに割って、そ の間に目玉焼きと青のりがはさまってる んだよ。味付けはマヨネーズとソース だったかな」

「そう。シンプルかつ斬新なアイデア ね」

「でしょ!?」

然が言った。

「最初はシンプルに目玉焼きだけのやつ が主流だったんだけど、ここ3~4年の 間に、焼きそばやチーズ、焼肉を挟んだ たませんも出てきたよ」

そうだったんだ。毎月こういうお祭りに 関わってるだけあって、やっぱり然は詳 しいな。