「さ、行きましょう。もうすぐ待ち合わ せの時間よ」
ウィンクルムに促される。俺は、彼女と 共に玄関を出た。
「私にやらせて」
彼女は、首から紐で下げた自分用の合鍵 を取り出し、生き生きした顔で施錠す る。
いつもは留守番ばかりだから、こういう 何気ない日常的作業すら楽しいらしい。
ウィンクルムが外に出かけるといえば、 食材の買い出しに行く俺に付き添う時く らいだ。
女の子用の服も2~3回着回せる分しか 買ってあげられてないし、彼女がアパー ト暮らしに退屈してしまうのも仕方ない と思う。
もっと色んな所へ連れていってあげたい けど、唯一のヒマな時間は週一のバイト にあててしまっているから、スケジュー ル的に厳しい。
然とかは、彼女いた方が楽しいって言っ て俺にもそれを勧めてくるけど、こんな 男に好かれたって女の子側が迷惑するだ ろう。
ヒクツになってるわけじゃなく、冷静に そう考えている。
そういう意味でも、今、特別に好きな人 とかいなくて本当によかった。
あまり遊びに連れてってあげられない俺 に文句を言わず付き合ってくれるウィン クルムにも、感謝している。


