「どうして!?」
俺は母さんに尋ねた。
「来るなら前もって連絡してくれればい いのに!父さんは?一人で来たの?」
「もう、相変わらずね。細かいことはど うでもいいじゃないの」
「えっ?」
「それより、その子に浴衣着せなきゃい けないんでしょう?お祭りは夕方からな んだから、そろそろ用意して行かない と。私が着させてあげるから」
「ちょっ、母さん!?」
色々ツッコみたいのにそうする間すら与 えてくれず、母さんはウィンクルムのい るパソコン部屋にズカズカ入っていっ た。
「母さん、キャラブレしてない?」
俺のつぶやきは、すぐに空気となる。
そもそも、母さんは、息子の身を心配し て突然こうやって押しかけてくるタイプ ではない。事前に連絡はする人だ。
それに、もう一つ謎がある。今日、命守 神社で七夕祭りがやることを、母さんは 知らないはずだ。なのになぜ、知って る?
命守神社は全国的に有名な神社らしいか ら、偶然誰かから今日のことを聞い た……っていう可能性もゼロじゃないけ ど、それにしたっていきなり過ぎる。
俺が急な病に倒れた、とかならともか く、いくら母親でも、高い交通費を払っ てわざわざ遠方まで足を運びたがるもの だろうか?


