彼女のすべてを知らないけれど


古風な考え方だなぁと思ったけど、見た目の幼さに合わないその内面も、ウィンクルムらしさだと思う。


そういえば、あれ以来、ミコトに会っていない。俺とウィンクルムに遠慮して、来なくなったのかな?

七夕祭りでミコトに会えるのを楽しみにしつつ、俺は七月を迎えた。


日に日に暑くなる。その熱に比例するみたいに、俺の七夕祭りに対する期待は膨らんでいった。

内緒で用意したウィンクルムの浴衣。

然に案内してもらう屋台。

たくさんの人でにぎわう会場。

久しぶりに会えるかもしれないミコト。

ミコトは食べるのが大好きだから、屋台目当てでやってくるかも。人に姿を見られたくないとは言ってたけど、ミコトなら、あの手この手で人垣に紛れ込みながらお祭りを楽しんでいてもおかしくない。

俺は、どうしてもミコトに会いたい。会って、お礼が言いたいんだ。

ウィンクルムと過ごせてるおかげで、最近、全く暗い気分にならない。みんな、彼女を人間にしてくれたお守りのおかげだ。ミコトがあれを――命守流願望成就札を作ってくれなかったら、俺は今、こんなに幸せな日常を送れていなかったと思う。

「ミコト、七夕祭りに、きっと、来てよね」

祭りの前日。ウィンクルムが寝たのを確認した俺は、パソコン部屋の窓から外を見てそうつぶやいた。

星降る空が、とても綺麗な夜だった。