「梅子さん。夕飯はどうしようかしら?」


姑のトメは毎日夕飯の献立を私に聞いてくる。


白い割烹着姿のパンチトメは昭和を生き抜いてきましたといわんばかりの姿を醸し出している。



「そうですね、秀夫さんの好きなハンバーグなんてどうでしょう」


夫の好物をとっさにあげてみる


「ハンバーグはこの前したばかりじゃないの」


トメは自分から聞いておいて私の意見を大抵否定する。



またかと梅子はうつむいた。



「じゃあ今日は白菜の煮浸しにしましょう。野菜は体にいいから」



梅子ははじめから決まっているならめんどくさい言い回しはやめてほしいと思ったが

はいと小さくつぶやいた。