「…さっきのも、立派な間接キスだよね。」
…え?
時が止まった
何、今の咲月くんが言ったの?
寝てたんじゃないのか
肩にもたれる頭に気も配らず
ガバッと覗き込む
すると、眠そうながらも
したり顔で笑い、舌を出した瞳と目が合った
「…な、な、なに言ってんの咲月くん。」
顔に火が付きそうに熱い
対して、
いかにも成功して喜んでいる目の前の彼
「おはよう。…ちょっと、こないだ図書室での仕返しにね?」
そう言うと
より一層フワッと微笑み
小首を傾げて見せる
ああ…
前言撤回だ。
見もの、なんてモノじゃない
このままじゃ、アイスより先に
私が溶けちゃうんじゃないの?
なんて、本気で心配になったのは絶対秘密にしようとここに誓う
end.