俺達は……間違った道へと進んでしまった。

些細なきっかけから……どんどん、違う方へと。

一度狂ってしまったものは、どう頑張っても戻らなくて……

もがいて、もがいて……それでもどうにもならなくて。


……戻りたい。

あの時へ……。

本当に……戻りたい。


「あの日……」


悠斗が小さく口を開いた。


「やっぱり……あの日、死ぬべきだったのはアイツじゃなかったんだよ……」


俺達の目からとめどなく溢れる涙……。


「……あの日……あの時っ……光輝は俺達を助けるべきじゃなかった!
本当に死ぬべきだったのはっ……アイツじゃなくて俺達なんだよ!!」


っ……あの日のことは今でもよく覚えている。

光輝に押された時の衝撃も……転んで振り返って見えた……光輝の最期の姿も。


「本当はアイツは今頃生きてるはずだったんだっ……。
楽しく過ごしてたはずなんだ……。
あの時、俺達なんか助けないでっ……」

「もうやめて!!」


……突然、悠斗の声を遮って杏が叫んだ。

俺も悠斗も驚いて杏の方を見ると……杏は泣いていた。

俺達と同じぐらい……大粒の涙を流していた。