「あの時……お前にパスしたのは俺だ……。
次があるって……おばさんはまた観に来るだろうから大丈夫だって勝手に思って……一番勝ちにこだわってお前にパスしたのは……俺なんだよ……」


声が震える……。

目の前の視界が少しボヤける……。


「っ……少しは思ったんだ。
光輝に回そうか……って。
でも……やっぱり悠斗に回した方が確実だからっ……。
光輝にはまた次があるからって……そう思って……」

「日向……」

「……あの時……あの俺のパスから全部始まったんだ……。
俺達の関係が壊れたのも……光輝が死んだのも……っ全部……全部俺が原因なんだよ!!」


もし、俺が光輝にパスをしていれば……。

今頃三人で笑っていたに違いない。


今……こうして俺達が苦しんでいるのは……


俺が……全部の原因なんだ……。



……ポロリと涙が一粒零れる。

一度零れると……どんどん次から次へと溢れ出してく。


……俺達と同じだ。

一度壊れると……次から次へとどんどんいろんなものが壊れていく。

最終的に……大切なものを失った。