「俺の方が上手いし、絶対入るし」


だから……間違ってない。


「実際、入ったし。
……誰だって、あそこは俺に回す」


まるで自分に言い聞かせるかのようにそう言った。


「ユウ?
何言って……」

「大体!!
大体……初めから言えよな。
おばさんが試合観に来れるの……最後かもしれないって。
知らなかったとはいえ、何かこっちが後味悪いじゃねぇかよ」


……やめろ。

それ以上言うな……。


「お前っていつもそうだよな。
大事なことは後から言ってさ。
それでいつも困るのは俺達なんだよ」


……やめろ。


「今回だって、お前がちゃんと言ってくれればボールなんていくらでも回してやったのに。
日向なんてやっぱ光輝にパスすればよかったってメッチャ気にしてるし。
……俺はチームのために正しいことしただけなのにさ。
すげぇ気分悪いし」


やめろっ……!!


「何で俺が弱い奴のためにこんな思いしなきゃいけねぇんだよ」


……俺は光輝の顔を見ながら、そう冷たく言い放ってしまった。