休み時間。
気になった俺は悠斗の教室に行くことにした。
今思えば……高校に入ってから、こうやって悠斗に会いにいくの初めてかも。
今年の夏休み、ああやって悠斗に話しかけられるまでほとんど絡まなかったからな。
教室に入ると、すぐに悠斗を見つけた。
悠斗は机に頬杖をついて、ボーッと窓の外を眺めていた。
「……おい」
俺が話しかけると、悠斗は少しビクッと驚きながらこっちに振り返った。
「何だよ……日向か」
「俺じゃ不満かよ」
「不満」
「あのなぁ……」
俺達がこうして話してると、周りが不思議そうにこっちを見てくる。
「あれ……一組の逢沢?」
「アイツら、仲良かったっけ?」
「さぁ……話してるの、初めて見た」
こうしていると、悠斗がどれだけ注目を浴びているのか嫌でも痛感する。
そんな周りの反応に気がついたのか、悠斗はゆっくりと立ち上がった。
「外、出るか」

