アイツに合わせる顔がない……?

それは、あの試合のことがあるから?

でも、悠斗は今まで普通にサッカーをやってたじゃねぇか……。


それなのに、何で今更……。


「ヒナ君!」


廊下を歩いていると、後ろから突然呼ばれた。


「杏」

「ねぇ、ユウ君……どうしたの?」

「え?」


杏は俺を捕まえると、早速本題を切り出してきた。


「悠斗が……?」

「ユウ君、今日……何かおかしくて……」


おかしい?

…………………。


「どんな風に?」

「どんな風って……。
何か思い詰めた顔してて……すごく辛そうで……」


悠斗……。