昔は本当にずっと一緒にいたから。
周りからみたら三人で一つみたいな、そんな感じだった。
「お前らがやめた後……みんな本当に寂しがってな。
大変だったよ」
「……そうですか」
あの時やめたことは後悔していない。
もしもあのままサッカーを続けていたら……俺の心は今頃ズタズタに壊れてしまっていただろう。
「何かお前らがいなくなってから、チームが静かになった気がしてな……。
ほら……お前らいつもはしゃいでたから」
「……よく監督に怒られてましたしね」
「俺はとばっちりだったけどな。
……騒いでたのは、日向と光輝だろ」
「あー……そうだったな。
悠斗はいつも一緒にいたから、何となく怒っちまったけど……」
「何となくって……。
俺、怒られ損……」
三人でグラウンド脇の芝生の坂に座りながら昔話をする。
話の中にはやっぱりアイツの名前が出てくる。
俺達の小学生時代は……アイツ抜きには語れない。
本当に……ずっと一緒にいたんだ。

