「監督……」
……そこにいたのは、俺達がサッカーチームに所属していた時の監督だった。
まだここで監督やってたんだ……。
俺達の顔を見て、監督は嬉しそうに笑った。
「久しぶりだな。
お前ら、随分成長したんじゃないか?」
そりゃあ、小学生の頃と比べると背も伸びたし、声変わりだってしたけど……
中身は……何も変わっていない。
あの頃と……何にも。
「もう高校生だっけ」
「はい。高二です」
俺がそう答えると、監督は「そうかー」と言いながら懐かしそうに笑いながら俺達の姿をじっと見つめる。
「本当……大きくなったな」
監督の目にはうっすら涙が浮かんでいた。
「監督……?」
「あぁ、いや……悪いな。
お前ら見てると……やっぱり一人足りないなと思ってな。
ははっ……」
一人……。

