「昔は何でもバカみたいに楽しんでやってたのに……。
今じゃ……何をやるにも後ろめたさが出てくる。
俺達は、ずっと……光輝の死に怯えながら生きていくんだ……」


小刻みに震える……悠斗の拳。

悠斗の顔は苦しそうに歪んでいて……今にも何かに押し潰されてしまいそうだった。


「俺は……もう二度と……あんな風にサッカーをすることなんてできない……」


悠斗……?


「何言ってんだよ……。
だって、今お前は……」


サッカー……やってんじゃん。

俺は見るのも嫌なのに……お前はそれでもサッカーをやってんじゃねぇか。

サッカーが……好きだから。


悠斗は本当に……本当に苦しそうだった。

何にこんなにも苦しんでいるんだろう……。


俺には分からない何かに……悠斗は潰されそうになっている。


「悠……」


俺が声をかけようとした……その時だった。


「日向!悠斗!」


懐かしい声が……聞こえてきた。