あの日、言いたかったこと。


「……警察がさ、光輝のお父さんに話してるの聞いたんだ。
トラックは居眠り運転で……目撃者によると、本当は轢かれそうだったのは……俺達だったらしい」

「え…………」


俺達が……?


「それに気づいた光輝が……慌てて走ってきて、俺達を歩道側に押したんだって。
っ……それで、そのままっ……」


光輝は……俺達を助けて死んだ?

何で……っ……どうして……。


「……俺達、最後に光輝と話したの……いつだっけ」


俺の言葉に悠斗が涙でぐちゃぐちゃの顔を上げた。


「……ずっと……ちゃんと話してなかったよな。
あの試合の前から……ずっと……」

「日向……」

「っ……何で……!!」


話さなきゃいけないのに。

謝らなきゃいけないのに。

もっと、一緒にいたいのに。

今度こそは一緒に帰りたいのに。

みんなでサッカーがやりたいのに。


……もう……全部叶わなくなっていた……。