あの日、言いたかったこと。


それから後のことはよく覚えていない。

気が付いたら病院のベッドの上で寝ていた。

どうやら俺は気を失ったらしい。


あぁ……じゃあ、あれは夢だったのか。

そうだよな。

変な夢を見たんだ。


そう……自分に言い聞かせた。


すると、病室のドアがゆっくりと開いた。

入ってきたのは腕に軽く包帯を巻いた悠斗だった。


「日向……よかった……」


悠斗の目は真っ赤に腫れていた。

泣いたのか……?


「ケガ、大丈夫か?
痛くないか?」

「ケガ……?
いや、俺は全然大丈夫だけど」


悠斗が何を言っているのか全く分からなかった。

そもそも何で悠斗が包帯なんか巻いてるのか、不思議に思っていた。