夏休みが終わり、学校が始まっても……俺達は上手く光輝と話すことができなかった。

本当は謝りたかった。

何か言いたかった。

前のようにはしゃぎたかった。


でも……あの頃の俺達にはそれができなかった。


光輝が話しかけてきても曖昧に返事をするだけ。

下校も悠斗と二人だけで帰るようになった。


「光輝に……謝った方がいいのかな」

「別に……悪いことはしてないだろ」


確かにあの時の悠斗の言った通り……悪いことはしてない。

ただ、チームの勝利のために良いと思った選択をしただけだ。

でも……


「……じゃあ、どうしたらいいんだよ。
俺、このままなんて無理」

「……俺だって無理だよ」


俺達も悩んでた。

もう二度と叶えることのできない願い。


まだ小学生なのに、母親がもう長くはないと知った時……。

……そんな母親に何かできないかと考えて


母親が息子の試合を最期に観たがって……

息子はそんな母に自分の勇姿を見せようとした。


……それを考えると本当に胸が痛み、余計光輝と顔を合わせづらくなった。