あの日、言いたかったこと。


そこまで言うと、おじさんはまっすぐ俺達の目を見た。


「光輝は君達を救った。
君達の人生にもう一度明かりを灯してくれた。
だから……君達はもうそんなに苦しまないでくれ。
あの子の存在が君達に暗い影を落としてると思うと……私も辛いんだ」


光輝は……消えかけた俺達の人生をもう一度照らしてくれた。


でも……俺達は光輝が救ってくれた命を……明るく照らしてくれた人生を……アイツがいなくなってから、どんな風に過ごしてた?

ずっと後悔して……逃げて……。

でも……光輝はそんなこと願っていなかった……?

俺達に普通に生きていってほしかった……?


「光輝……言ってたよ。
二人の連携プレーはいつもすごいって。
あの試合の後も……やっぱり二人はすごいって。
私がそれを本人達に言ったら喜ぶよって言ったら、じゃあ伝えてくるって……。
いつもいつも嬉しそうに君達のことを追いかけていた……」


やっぱり二人はすごい……。

そんなこと……言われた記憶はない。

唯一思い当たることがあるとすれば……横断歩道を渡る前。

あの時……確かに光輝は何かを伝えようとしていた。

でも、俺達は何を言われるのか怖くて逃げようとしていた。


だけど……光輝は俺達を褒めようとしていたのか?


俺が悠斗の方を見ると、悠斗もそれに気がついたのか、俺と目を合わせた。