あの日、言いたかったこと。


「光輝は自分がシュートを決めるより、君達の活躍が見れる方が嬉しかった。
実際、あの子がシュートを決めたっていう試合でも、自分のことより君達のことを話してたぐらいだから」


……何で……そんなに俺達のこと……


「光輝は本当に君達を大切に思っていた。
だから、そんな君達を命懸けで助けた息子を私は誇りに思っている」

「っ……おじさんは……俺達のこと……恨んだりしてないんですか……?」


俺がたどたどしい口調でそう聞くと、おじさんはゆっくりと首を横に振った。


「君達を恨んだことは一度もないよ」

「っ……でも、俺達は……っ!!」


光輝が靴ひもを結び終えるのを待っていたら

いつものように仲良くしていたら

ちゃんと……謝っていたら


「こんなことには……ならなかったのに……っ……」


心の奥深くから涙が溢れだしてくる……。


結局……消えないんだ……。

この気持ちは……ずっと……


「俺……っ……光輝に酷いこと言いました……」


悠斗……。


「アイツ……おばさんが亡くなって一番辛い時期だったはずなのにっ……。
そんなアイツに一番言っちゃいけないこと言って……っ……。
でも……アイツ、俺に“ごめん”って……謝ったんです……。
本当は謝らなきゃいけないのは俺なのに……っ……!
それなのに……!」


悠斗の目から流れ落ちてくる……涙。

大粒の涙……。