「試合が終わった後もね、“本当にすごかったでしょ!いつもあんな風にカッコいいんだよ!ヒナとユウは俺にとってのヒーローだよ!“って……嬉しそうに話してたっけ」
ヒーローって……。
そんな……カッコいいもんじゃねぇよ……俺なんて……そんな……
「でも……」
隣にいた悠斗が小さく震えた声を出した。
「でも、アイツっ……次の試合におばさんが来るから絶対シュート決めたいって……そう言ってたのにっ……」
……確かに言ってた。
言ってたけど、俺達はっ………
「そういう気持ちもあっただろうね。
でも、光輝はいつも自分のことよりも君達のことを話していたよ。
学校でのことも、遊んだ時のことも、サッカーのことも。
……きっと、自分のことよりも君達の方が
大切だったんだね」

