私が倭の手を掴んだと同時に、倭は勢いよく走り出した。

私が必死に追い付こうとしても、所詮男と女。

力の差、体力の差、運動全般負けているわけで…到底追い付けない。

倭と手を繋いだのは、いつぶりだろう?

多分、5,6歳の頃以来。

ショッピングモールで迷子になって、泣いた私を倭が手を繋いで一緒にお母さん、お父さん、お兄ちゃんを探した。

懐かしい記憶に頬が緩むのがわかった。


「ラブラブねぇ…」


倭の全力疾走のお陰様で、随分と早く着いてしまった。

『何事にも全力なんだよ』

とか、意味不明なことまで言い、階段すらダッシュ!!!

倭は軽やかに上っていったが………


「姉弟だってば!!!」

赤木澪(あかぎ みお)我が親友とも呼べる人。

慌ただしく、素早く否定する。