「すきだよ…、子供っぽいとこも不器用な優しさも、頼りないトコもぶっきらぼうなとこもっ、時折見せる照れた表情も! かっこ悪いとこも全部すきだよー…っ」
わんわん、泣きながら話す内田に
俺はどうしていいか分からず戸惑った。
したっけ、通りすがりの爺さんに『抱きしめてやれ、この色男』と言われた。
ほっとけ爺さん。
「ごめんね、小野くんっ。
変な態度とってゴメンね…っ」
「いいからもう、とりあえず泣き止め。
俺お前に泣かれるとどうしていいか分かんねえって」
ぎこちなく、内田の涙を親指で拭う。
それでもぽろぽろ、涙は止まらない。
「う゛ーっ、だってだって。
小野くん嘘ついたでしょ…っ」
「え」
「先月、3組の女子に告白されてたのに
あたしには、嘘ついてホントのこと言ってくれなかった…っ」
「あ、あれは!」
「分かってる! それが小野くんの優しさなんだって思おうとしたよっ。でも、あたしは知りたかった…っ、好きだから、嘘ついて欲しくなかった!」
「…」
「ウザくてごめんね…!」
「もう、なんなのお前…っ」
なんなのこの人。 どこまで俺、内田に惚れれば気が済むの。

