微かに頬を染める、内田。
たったそれだけで心臓がぎゅ、と締め付けられる。
どうしようもなく、惚れている。
だからこそこの微妙な溝がどうしようもなく、苦しい。
カタン、と窓際に手をつくと
俺はそのまま背中を窓に預けた。
何かに支えてもらえないと
上手く立ってられない。
…情けない。
「なあ、内田」
「…か、帰らないの小野くん?」
「なんで俺を避けるわけ」
「え」
「なんで目合わせないの」
「…」
「なんで俯くの」
そんなに、俺がイヤ?
そこまで自分もSじゃないから、そんなに困った顔されると、俺もこれ以上何も言えなくなる。
内田を困らせたくてこんなこと、言ったんじゃない。

