購買で金を払うと、児玉に声をかけ俺は一足先に教室へ戻る…はずだった。
踵を返した足は、ヤツの声で止まった。
『んだよマジ苛つく。賭けにも負けるしアイツに告られたっていう汚点が残っただけじゃねえーかよ』
「んなこと言ったって賭け持ち出したのはお前だろー?」
『あ゛ー、なんなら俺アイツと付き合ってズタズタに傷つけてやろっかな』
その方が面白そうじゃん?
なんて下劣な笑い声混じりに近づく声にどす黒い感情が込み上げてきた。
ドン、と肩に誰かがぶつかり思考が更に黒く塗りつぶされていく。
「いって…二年がこんなとこでボーッと突っ立ってんじゃねえよ」
「―――っ」
顔と声が一致した瞬間にはもう、拳が素早く動いていた。
「―――ゆう!!!」
児玉の焦った声が頭に響く。
周りの悲鳴がガンガンとカラダ中を叩いているようだった。
それでもカラダが止まらない。
熱が治まらない。
――黒く塗りつぶされた感情が喚いて仕方なかった。

