行き場をなくした俺は、
まだ慣れない校舎をふらふらし
最終的に屋上に辿り着いた。


中学のころは入れなかった屋上も
ここは解放しているみたいだ。



そこにあったベンチに寝そべると
静かに目を閉じて
さっきの教室でのことを思い出していた


あぁーなんでこうなるんだ。
俺はまた『あの時』を繰り返すのか…


そう思うと気分が重くなった。


それにしても
初日からサボっちまったし、
あの状況じゃ教室にも戻れねーし。
今日は…帰るか。


そう思い、ベンチから起き上がると
鞄を持っていないことに気がついた。


マジか。
鞄教室に置いてきた…


「教室に行くしかねーのか。」


本当に行きたくなかったが
全員帰るまで待つと言っても
まだ入学式だって終わっていない。
こんな寒いところで
そんなに長い間待てるわけがない。


「…しゃーねーな。」


そう呟くと
重い足取りでゆっくり屋上を後にした。