だんだんと寒さは和らぎ、
突き刺さるような冷たい風は
だいぶやわらかくなってきた。
「俺はどうすりゃいんだよ」
あれから
学校へ行く準備をしながら
足りない頭で必死に考えた。
過去にあったこと
新しい出会いのこと
そして
自分はこれからどうすればいいのかを
「…くそっ」
家をでて学校への道を歩いていても
その答えは一向に浮かばなかった。
渡井を信じたい気持ちと
あの頃を繰り返すのではという恐怖が
心の中で交差していた。
「…あーくそっ!!」
考えれば考えるほど
意気地なしのかっこ悪い自分への
苛立ちと嫌悪感が増した。
「…俺は手放しで人を信じることも
出来なくなっちまったのかよ…」
なんなんだよ…
俺にとっちゃあいつらなんて
もうどうでもいいんじゃねーのかよ
なんでこんなに
悩まされなきゃなんねーんだよ…