伝えたかった言葉。



「「あははははは」」


教室に何人か残っている。

楽しそうに笑っている。


不意に聞こえてきた声に
足がすくんだ。


「ってかさ、勇どうしたの?」

「なんか急に倒れたんだよね。」


この声は・・・・

夕菜だ。


「『調子悪い』って言ってたんだけど、私が無理やり『やろうよ』って言っちゃたんだよね」

「えっ!それって大丈夫なの?夕菜が悪いみたいなことになっちゃうんじゃない?」

「そうなんだよね。そのまま、入院とかしたらマジで、殺してやりたいぐらい。そうなったら言ってやるよ『最終的に決めたのは、勇だから』って。」

「そうだね。ってか、夕菜って勇の事嫌いだっけ?」


聞きたくない。
聞きたくない。
聞きたくない。



私は走り出した。


カバンの事なんてもうどうでもいい。

嫌われたくない。