空色チョコレート

―――だが、彼女は他の奴とは違った。


「あのね...私のお母さん...死んだの、幼稚園の時に」


彼女は、同情の代わりに自分の事を話したんだ。


「幼稚園の時...私も行事で忙しくて、お父さんも仕事で帰るのが遅くて...誰もいない家でお母さん、心臓発作で...」


正直、戸惑った。


どんな言葉が、彼女にとって良いのだろう。


小春はふわりと笑って、ゆっくりと手を伸ばし、人差指で俺の胸に触れた。


「ありがとね」


え?