空色チョコレート

「―――これが、俺の母親がいない理由と、アルバムに9歳からの写真しかない理由でした」


明るく言って、笑った。


小春はひどく驚いたようだった。


それもそうだろう。


俺はいつも、そんな素振りを人に見せてはいないから。


同情されたり、哀れんだ目で見られたくないから。


だから、いつも笑ってる。


傷は隠す。