空色チョコレート

~桜side〜


俺の母親は、18歳で俺を産んだんだ。


でも、まだ若かったからか、そばにいないで出かけることがほとんどだった。


食べ物もくれたし、暴力もふるわなかったけど、笑って話しかけてくれる事はあまりなかった。


多分、俺が邪魔だったんだろうな。


俺がいなかったら、もっと自由でいられたんだ。


あまり関わらず、何かを教えてくれる事もほとんどなかった。


でも、たった1つ、教えてくれた事があった。


それは、名前の由来。


『――――、アンタが生まれた時ね、快晴でものすごく空が綺麗だったんだよ。だから...アタシはアンタに――――ってつけたの』


初めて笑ってくれたのはこの時だった気がする。


嬉しかった。とても嬉しかった。