空色チョコレート

「この弁当を届けに...「あの...」


桜のお父さんらしき人が振り返る。


「あなたは...?」


「あ...桜の友達の...是永小春です」


そう言うと、お父さんの顔がパァァっと輝いて、


「そ、そうですか!!桜の友達ですか!!息子がどうもお世話に...!!」


と言って、握手をして握った手をぶんぶんと振った。


人懐っこいお父さんだなぁ...。なんか桜に似てる。


しばらく振ると、ふと真剣な顔になって、


「あの...桜は、最近学校ではどうですか?その、友達から見て」


「どうって...」


「...何だか、この間から元気が無いんです。聞いても何も言ってくれないし...」


と、少しうなだれた。