空色チョコレート

綾芽ちゃんも、桜の事好きなんだもんね。


あのとき、桜に『もう俺に金輪際話しかけんな』って言われてた時の顔、すごく、...すごく悲しそうで、泣いてしまいそうな顔だった。


「...好きだよ」


私だって、桜の事が好きだよ。


「...へぇ」


綾芽ちゃんの顔が、口は笑ってるのに、目が...冷たい。


「まぁ、負けないけどね。...アタシは、どんな手を使ってでも桜をアタシのものにするから」


そう言って、去って行った。


...私だって、負けないよ。


そう思って、いるのに。


何だか、不安で仕方がない――――。