空色チョコレート

ひたすら走って、文化祭で使用されていない教室に飛び込んだ。


さっき見た光景が蘇る。


「キス...してた」


やっぱり、2人はお互いに想い合ってるんだ。


「うぅ――――...」


頬に涙が流れる。


――――気持ちが消えるなんて嘘。


どんなに諦めるって頭に言い聞かせても、心が...反応してしまう。


私の心は、ずっと、桜を向いたままだ。


「――――私、最低だな...」


桜の事を本当に好きなら、桜の幸せを一番に考えられるはずなのに。


なのに、...何で涙が出るの?



――――こんな自分、もう、嫌だ...