~坂内桜 side~

夢を見た。


でも、いつもの夢と変わらない。


どうせ、また『あの日』の夢なんだろ?


―――ホラ、『アイツ』がこっちを向いて、言うんだ。


――――――『―――、バイバイ』――――――


ホラな、やっぱり。
 

何度呼んだって、『アイツ』は来ない。


――――でも、今日の夢はその夢で終わらなかった。


『大丈夫だよ』

『私が隣にいるから』


静かな、柔らかくて優しい声。


何でだろう、どこかで聞いたような――――。