空色チョコレート

「...まさか、その同情を使って桜を自分のものにしたの...?」


そう言うと、馬渕綾芽はニヤッと笑って、


「当たり前じゃん。アタシは、桜を手に入れるためならどんな卑怯な手も使ってみせる」


こいつ...どれだけ性格腐ってんの?


正々堂々、好きになってもらう様に努力するとかはないワケ?


「同情なんかで傍にいてもらったって、結局傷つくのは、アンタでしょ?」


と言うと、馬渕綾芽はハンッと鼻で笑った。


「そんな綺麗事、ハナからいらないよ」


そして、もういい?と言って、屋上から階段に通じるドアに向かって歩き出した。