空色チョコレート

「話が、あるの」


そう言って、あたし達2人は屋上へと向かった――――。




「...で?話って?まぁ、だいたい想像つくけど」


屋上に着き、第一声がそれだった。


「坂内くんの事なんだけど」


やっぱり、と言うように馬渕綾芽はため息をついた。


「...何?別れろとでも言うワケ?」


そう言いたいけど。どうせ別れないでしょ。


「悪いけど、アタシはどうしても欲しかった桜を手に入れたの。だから、誰にも渡さない」


まっすぐにあたしの目を見て言った。


「どんな手を使ってでも欲しかった。同情でも、何でも」


...同情?


まさか...。