空色チョコレート

~桜side~


「...アタシね、母親に、いらないって言われた」


は?


いらない、って...


その瞬間、俺の忘れかけていた記憶が蘇った。


『――――、バイバイ』


...もしかして、綾芽は俺と同じ事になりそうなのか?


親に捨てられそうに――――...


それに、俺の親は暴力は振るわなかったけど、この顔の傷、もしかして...


「アタシには、家にも、学校にも、居場所が無いの。...どこにも」


そう言って、綾芽は薄く笑った。


無理やり笑っているようだった。